真空リークに窒素を用いる理由

半導体などの加工に用いる真空プロセス装置は、一度真空に引いたらそのままと言う訳には行きません。一定の周期で真空を破ってメンテナンスを行う必要があります。真空ポンプにも注油やガス抜きなどのメンテナンスがやはり必要です。

真空を破壊(リーク)するのは単に空気などを入れるだけですので真空引きよりも簡単そうですが、リークは装置を再び真空雰囲気にすることを考えて行わないといけません。空気中には酸素などのように金属と反応しやすいガスがありますので、リークするのに空気は適当ではないのです。

活性化エネルギー障壁が高くて金属と反応しにくい希ガスを用いてリークするのも不適当です。なぜなら、超高真空雰囲気を作るのに用いるイオンポンプは、金属とガス分子との化学反応による吸着を原理として動作するものですから、反応性の低い希ガスでリークした場合、超高真空に引く時に悪影響が出ます。

そこで、真空リークには窒素を用いるのが通例となっております。窒素にも反応性はありますが、金属に吸着される性質は酸素ほど顕著ではありません。それに、飽和蒸気圧が高く、加熱処理(ベーキング)を行うことによって金属表面から簡単に離脱する特徴もありますので、超高真空引きへの影響はありません。

このような理由から、試料を真空装置に導入するためのロードロックのリークには窒素が用いられます。また、真空装置に関するパーツを室内に保管する場合には、窒素を満たした袋や容器の中に収納することが望ましいとされるのです。

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