真空ポンプの排気速度

真空ポンプを選択する場合、最も重要なのはもちろん到達真空度と最大動作圧力ですが、その排気速度も結構重要です。

粗引きに用いる低真空用のポンプは到達真空度が低い代わりに排気速度が大きく、逆に、超高真空用のポンプは排気速度を少々犠牲にしても到達真空度を高くするように設計すると思われがちですが、実際の真空ポンプはそのようになってはいないのです。

到達真空度が低くて動作圧力が高い油回転ポンプですが、排気速度はどんなに速くても毎秒0.1立方メートル程度で、高真空用のターボ分子ポンプはこれより50倍も速いのです。それから意外なのが、油拡散ポンプの排気速度の高さです。立ち上がりまでの時間が数十分かかり、すぐに立ち上がるターボよりも長いので排気が遅いと思われがちですが、こちらの方が実動作時ではターボよりもさらに10倍速いのです。

超高真空で用いるスパッタイオンポンプにしても油回転ポンプより10倍も速く、クライオポンプに至ってはほとんど青天井にまで速くできるのです。このクライオポンプは大気圧からでも動作できるのですが、高価な液体ヘリウムを用いるのであまり広く使われません。コストももちろん真空ポンプ選びの重要なファクターですから。

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